***ファシスト結合 その後***



それに向かって闘う気もないほどに
何やら時間が流れてしまい
ファシストのように一枚岩だった私たちも
それなりに それなりに
大人しく独りになってしまったねえ


半分は社会人 半分が学生で
新年が巡り来るほどに
顔を合わす人数が減ってくるね
平気になった そんなことも
みんな大変なのだと考えずともわかるしね


よくよく考えてみれば
あの頃お互いを理解していたのか
その辺はかなりあやしいな
喧嘩もあったけど 忘れた?
今ではもう仲違いなど出来ないねえ


これは例えば双生児の孤独?
そういや母さんは死んでしまったねえ
新しい母親はやっぱり
誰も気に入らないみたいで
僕など会いに行ってもない


こうやってどこまでも 
悲しい変化は続くだろうね
いつか一斉に三十路になる春も来る
帝王は宇宙でさぼっているようだし
結局人を慕うというのは
脱皮の懼れとの葛藤か


はい 引き受けますよ
黙って荷物は引き受けて
ちょっと変だけれど
大人のように頷きながら
また来年会おうじゃないの


どもども
あけましておめっとうさん
またぼちぼち
本年もよしなにね







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