星の歌



 苦しみのように星が光る
白く冷たい夜の果て
どこまで行っても救いなどないと
地肌をさらして諭す賢明


 悲しみのように星が光る
連綿と続く記憶に燃える
そうでもなければ忘れてしまう
厚顔な生物の難しい幸せ


 愚かさのように星が光る
一生そこから抜け出すことなど
自分の無力を思い知れ
言葉を喋る立ち上がった猿


 恋人のように星が光る
疲れた四肢を引きずりながら
それでも空に憧れる
 女の紅で嗤いながら
赤い欲望に笑みをくれて
ここまで来いと星が光る



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