息吹
朝 おどろいて
みちを歩けば
うすぐらい雲のわれた先に
それはもう美しい
美しいものが
昼 おしかえされて
目を細めれば
少女のレースがまとわるように
それはもうはかない
はかない白が
夕べ むかう机を
離れて立てば
ぶどう色の雲 西のはてに
それはもうゆっくりした
ゆっくりした動きで
夜 くたびれて
ココアを傾け
見上げた満の天上には
それは呆然としてしまう
もう呆然としてしまう
あの芽吹きの息吹が萌える
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