いわれもなく






私はいわれもなく懼れている。
かつてない程コミュニケーションの手法が開発されているこの世の中で、容赦なく自らが孤独であることを悟ることを。
言い訳も適わず。




私はいわれもなく懼れている。
これ程までにものが溢れた時代はなかったというのに、コォフクになれる。という単純な宗教を喪うことを。
黄泉もなく。




且つまた私はいわれもなく懼れている。
皆が自分を許し、容赦を重ねるその先に、ひたひたとしのびよってくる破滅の日を。
成す術もなく。






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