■■■■
▲待ち人来たらず▼
■■■■


詩を紡ぎたしと思うとき
文字はやってこぬ
心のもや晴れずに残る
夜中痛む虫歯のように
■■■■
■■■■

欲しいと思うとき
言葉は与えられぬ
惨めに沈黙のみ跳ね返る
他者のことなど死ぬほど分からぬ

■■■■

■■■■

見たいと育てていた花
水をやらで枯らしてしまう
植木鉢と土のみの春
お呼びでないかたつむりの黒を這う
■■■■
■■■■

懐かしい人からの
手紙は来ぬ ポストには
見知らぬ人から誘いのみ
お医者さんごっこをいたしませうと
■■■■
■■■■

待っていないものだけが来る
待ち望んでいるものは来ない
老いたる孤独
死んだ猫
止まった電車
そんなものだけが攻めてくる
■■■■

寝て待つのがよいのだろうが
ああしかし
この悲しみをいかんすべき
虞姫のように死んだりせぬ
この胃袋にもたれる
蒼い悲しみをいかんすべき
その答えすら待つことならず

▼戻る▲

■■■■

まして ご褒美など一生来ぬ
今の苦労に報われる日はない
ただ過ぎて行く風は慈悲無く
誰もが勝者であり得ない
■■■■
■■■■ しかし
そに意義を挟むこと
厳にまかりならぬ・・・
皆のとおりし道なれば・・・
どうしても耐えねばならぬ・・・
■■■■