34.剥落






 …羽根?
進化…?
 一体何が起きているの


 いいや、違う。
 間違えるはずがない。
 あの人が間違えるはずがない。


 あの人が私を造った
 エテルも造った
だから本当
絶対に本当


 特別に、教えてあげようと彼は言った。
 君は極めて社会への貢献度が高いから。
 人間では私の腹心になれる唯一の人だから。
 ごらん、この少女の背中に宿った、
 これを―――――




 あれは何?
 何だったの?
 あのエテルが進化した人間だというの?
 あのエテルが?



 いいや、違う。
 彼が間違えるはずがない。
 間違えるはずがないのよ。



 …誰か、私に言って。
 大丈夫だって。
 大丈夫だって、私を安心させて。



 …カナン。
 カナン、お願い。
 私を助けて。



義務なんてどうでもよかったの。
あなたと親密になりたかっただけ。
そうじゃなきゃ自分から友達なんか作れないよ。



お願い、私を助けて…
何が変なことが起きている…
カナン………









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