深夜






彼らに言わせると自分は田舎者である。
すっかり馴染んでると言われるよか千倍もマシだ。




ここにだって檻がある。
連中は見えないふりをしているだけだ。
ここにだって罠がある。
ただこの街を多量の人間が行き来するから、
自分が動いていないことに気付かないだけだ。





どうしてここに? 故郷ではなく?
山奥に行くか? 空の彼方では?
中国ではどうだ。ガーナに行ってもいい。
バンコック トキオ シウダ・デ・メヒコ ハノイ





街は幾らでもあるというのに
どうして自分は自分に似合いもせず
故郷でもないこの街で
神経をすり減らしながら生きているのか?









美しい女がいるから?
楽しいから?









夢がある?












うなされているだけじゃないのか

こうむる利益なんて、まやかしで

俺はこの街に騙され、

毎日砂でも飲んでるんじゃないか。








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