ランプの蝋燭が煙を引いて
もうしばらくになるのに
迷いの森は永遠の長さを続いている
脳周りの血管のように
張り巡らされた枝が空を隠し
月の光も届かない



西に故郷
東に墓場
南に自由と
北に試練




どちらへ向かって歩いても
どのみち一寸先は闇
迷いの森は永遠の長さを続いている
ふと落す視線に
自分の靴先も見えない始末
恐怖を覚えまいとする



西の悔恨
東の欲望
南の修羅と
北の無知




清潔な床を歩くより
こちらを行こうと決めた約束どおり
迷いの森は永遠の長さを続いている
だがある日 自分はふと気付き
森を支配する大樹の前に立ったと思うや
ぽつりと舌に乗せてみた



「僕ハ永遠ニコノ中ヲサマヨッテイタイ。」




突如森は出口を開き
やや唖然とする僕の前に次の
新しい森を示す




ぽっかりと空いたその森の入り口は以前に増して深く
真実のように曇りない黒で再び
この僕を誘うのだ













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02.03.30