紅い帯しめ







紅い帯しめ
菊の花
染まる西日に
森の音
西や東の姐さんや
私はいささか草臥れた





キルケゴールと
萩原と
放縦の贅と
鐘の音
西や東の姐さんや
私はいささか草臥れた





鳥の頭や
なまずのからだ
魂(コン)を突き刺す修辞ばや
過ぎて尚胃に嘔吐の上る
晩冬の風は冷たやなあ
西や東の姐さんや
私はいささか草臥れた








> 了 <