地下水脈




あるんだろう
この固くて頑なな外皮の下
我彼を隔てる一枚の約束の下に
水脈
それはもううっとりとしてしまうような
水脈が


今日九重の帷に守られて
寝室はとても静かだ
まるで両親が出かけた夜に眠る
小さな子供の寝室のよう
大気が鉱石の肌触り
美しくて寂光の二時 アメジスト


身長まで縮んで僕は
何も怖いことも考えず
水脈に耳を凝らす
秘密持った掌を月光に透かすように
水脈に耳凝らす


遠く熱い海の中で確かに聞いていた
あの水の流れ出る音を

の中からもう一度聞くのだ


BOKO BOKO...
BOKO BOKO...


BOKO BOKO...
BOKO BOKO...




確かに あるんだよ
このしなやかで温かな外皮の下
我彼を隔てるたった一枚の約束の下に
水脈
僕が命をかけて帰って行こうと思うような彼の
水脈!








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