落葉






道を歩くほどにページはめくれ
また一枚 また一枚と新たな枝を私に示す
黄に緑に赤が混じり
届かない高みなのに胸にたたまれていくのは何故だろう
枝に枝が 葉に葉が 空の際まで積み重なり
それを眺むるごとに私の胸の中にも積み重なるものがある
私と世界はこのように鏡を挟んで相対する
私は彼らのように美しくないのでフェアではない
しかし知りたい
彼らの胸の中にも私が積み重なっているのかどうか



粘土を引き伸ばしたような滑らかな黒い幹に
目のさめる黄緑が彼の終焉
そそり立つ直立の峰にちりばめられた茶が彼の枯れ方
思えば崩れていくのみ 一年毎の儀式なのに
髪をすすぐような心地がするのは何故だろう
遠くで12時の鐘が鳴る
私と世界はこのように連想を経て相対する
私は彼らのように潔くないのでフェアではない
しかし聞きたい
彼らの胸の中で私も散っていくのかどうか