寂しさについて


寂しさがどうしてこんな風に
幾度となく襲ってくるのか僕は知らない
十日前にも振り払い
三日前にも振り払い
そうやって二十年以上も生きてきたのに
今更またすっかり忘れた寒さでやってくる冬のように



寂しさがどうしてこんなに皮膚を
通り過ぎて直撃してくるのか僕は知らない
十日前にも振り払い
三日前にも振り払い
そうやって二十年以上も生きてきたのに
何度目でも装いを新たに耐性をつけて実にしぶとい



友達よ 世界は変わっているのだろうか
難しい 一緒に僕たちも変わっていくから
本当は ただ一巻きの物語で
上から 下へと流れていっているだけかもしれない
冬がやってきて春へ移って行くように
少し忘れているだけで
寂しさは常に傍らにあるのかもしれない
自らが寂しさそのものなのかもしれない
この問答に同様果てが無いように



寂しさがどうして色を持ち
香りを持ち音を持つのか僕は知らない
十日前にも振り払い
三日前にも振り払い
そうやって二十年以上も生きてきたのに
僕は
いつまでもこの切なさに慣れることが出来ないのだ










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