嫌がらせ




待つんじゃない
疲れるから
君の待っているものは
足ものろいし
人の気持ちなんぞ分からない
百年も前から気をもたせ
二百年遅刻して現れる
そういった尺度の連中さ
待ちくたびれたら
つまらないだろう
ケーキなんぞ焼いても駄目だ
腐ってしまうから
君の周りから腐っていくから
待ち受け顔で
媚を売っても
足ののろい奴はまだ着かない
そいつはまるで
嫌がらせのように
君が末期の息を吐かんとする時
来るだろう
お待たせしました
さあわたくしに用ですか
君は最後にそいつを見て
一秒後には死んじまう
奴はまるで
嫌がらせのように
ああ何としたことだまたも間に合わなんだ
外人のように嘆いて見せて
焼香もせず
他の待ち合わせ場所に向かう
君はただそいつの背中で死んでいて
ケーキのように腐るだろう
だから




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