悲しみ紳士
再会の約束をした覚えは無いが
必ず君はやってくるね
なんて義理堅いんだ
恐れ入る
悲しみ紳士
辛い昼間のあった夜半に
こっそり戸に立ちてノックする
なんて礼儀正しいんだ
招き入れる
悲しみ紳士
「語らうに足る人は少ない
私が訪のうほど貴方は一層賢くなる」
なんて寂しく諭すのだ
痛み入る
悲しみ紳士
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