敵ならば

敵ならば 

 
うんまあね
何が不満てわけでもないんだけど
なんというのかその直毛とか
水の滑る肌というか
くるくる純情な瞳というか
その非道な黄金律に
名前を付けるなら「敵」でしょう


君の乗ってる電車はぴかぴか
往復ともにペンペン草さえ生えてなさそげ
また栄養が良かったんだねえ
痩せた体躯のえらいでっぱり
餌食になる男を見る度
女で良かったと思うもんなあ


豪華な少女はいつの間にか
ずいぶん瀟洒な大人になったが
どういう権利でそんな言葉を
小学生の道徳の教科書
曲げずに育てた朝顔の奇跡
修正する気もないけれど
引きつる顔に気付いてんのかそうでないのか


別に誉めることもないわけさ
たぶん君は与えられたバービー人形
あるいは所詮豚なれど美しいやつ
人生を通る麗しき影 短い春
悪徳を探すのは結構簡単なことかも知れない
でもなあ恐ろしいことに
天使さまには怒れないでしょ


それで疲れた挙げ句に思うわけ
ああもう好きにしたらいいや
こいつはきっとこのまま生きて
このままなんの転落も迎えずに
きっとなぜだと言うくらい幸せに死ぬ
なんの爪痕も残せないがそれを
不幸せと思う智恵もない


最後に名前を付けるなら
敢えて言えといわれたら
やっぱりこいつは「敵」でしょう
で 年末
おいらは「敵」とテーブルはさみ
民主主義を誤用したりしているわけだ
みんな君のせいだと思うんだけどね
ああ メイルストリーム







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