約束を破る







 わたしのともだち
もうそろそろ二千年の十二月が終わろうとしている
君の時間はいつまでも留まったままだが
わたしの顔は日 一日と老けて行くのが分かる
どうしても



 わたしのともだち
君の他にもあまりに多くの顔が
わたしの前を通り過ぎていった
それであなたの顔も消えがちになっている
けれどわたしは知っている
これは友情ではない つきあいだ
これは愛情ではない 依存だと
君との時間があったので知ることが出来る



 わたしのともだち
君にどれほどの希望があり
どれほどの野心があったか
わたしは君が生きたまま
どれほど二千年を迎えたかったか知っている
よくだらだらと生きることを怒っていた
正真の若者であった君
わたしは本当に
君がどれほど無念であるか知っている



 わたしの大事なともだち
生きることは辛い
どこまで行っても辛かった
そしてわたしは非力きわまりなく
何一つ成し遂げることもなく生きている



 そして二千年を越すにあたって
どうしようもない無力感でいっぱいだ
わたしはとうとう人生の舵を手放してしまった
生活の要求の前に
君との約束を破ってしまった
そして辿り着いた場所に何もない
はっとして振り向いたら扉が閉まった



わたしはわたしでなくなった
それからはもう
おかしなことだらけでどうしようもない
一体わたしは 誰になったのか
未だ分からないまま生きている



わたしは君が無念だったことを知っている
それなのに知っているだけで何もしなかった



 だから君に謝りたい
とうとうわたしは臆病のあまり
本当に君を殺してしまった
 君に謝りたい
もはやわたしは 君の無念だけを抱き締めて
この節目を越して行くほかないのだ




わたしのともだち
わたしのともだち
わたしはまだ 君の墓標の前から
動くことができないでいる






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