指輪



君に指輪を買って上げよう
透明な石のついた
安物ではない本当の指輪を
誠の心で君に贈ろう


君にどんな言葉も上げよう
愛や恋や、使用頻度の少ない
恥ずかしい言の葉たち
闇に紛ればリアルになる


一時から後は君に上げよう
朝の八時まで思うままに
言うことをきこう
努力もしよう色々に


けれど君にどうしても
どうしてもあげられないものもある
どうも我が強すぎる
最後に採るのは自分だろう
それが分かって僕は辛い
君をつきあわすのが悪い


だから指輪を買って上げよう
空虚な夜を埋めて上げよう
雨に柔らか言葉も上げよう
嘘も言いたくないから付け加える
二番目なんだ
どうしても君は二番目


出来る限り君に尽くそう
だから縛らないでくれ
もらえるだけを頬張ってくれ
泣いてもいい
殴ってもいい
でも最後の一つ
それをよこせというのは
それだけはわかっておくれ


未来も全てというのなら
それはまるで僕の母だ


そして君が彼女に似るなら
それはもう
そのまま悲劇だ恋人よ







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