| コントラコスモス -25-
ContraCosmos |
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鐘の音が響く頃、リップは子供を抱えて帰っていった。 私は店を閉めて地下へ降りる。 うっかりして暖房を入れ損ねたので、外にいるくらい寒かった。今更火を起こして、だがたくさん灯りをつける気には「何だか」ならず、一本だけ蝋燭に火をつけて、赤い薬草酒を注ぎ、机の前に腰を下ろした。 手紙は目の前に投げ出されている。 私は頬を押さえて目を閉じた。 多分あれも今ごろどこかで新年を告げる鐘の音を聞いているだろう。私は彼が頭（こうべ）を垂れ、聖堂の中で静かに祈っている様を思った。 アルコールが瞼に昇って熱くなった。 私は頬を押さえて目を閉じた。 目を閉じて奥歯を食いしばり、それに耐えた。 -了-
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