輪になって立つショーン達の前に、男が一人、突っ伏していた。真っ赤な血だまりの中に座り込み、そこに顔を突っ込んで絶えていた。
状況がよく見えなかった。どこから出血しているのか分からなかった。
だがよく見ると、動かなくなっているのはイ中尉で、腹の中に抱えるようにした右腕の先には手が無く、赤くて丸い断面が月のように、こちらを向いているのだった。
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