コントラコスモス -36-
ContraCosmos
永劫にも似た長い廊下を歩いて執務室へ戻った。深夜の二時になっていたが、チヒロはまだ居残っていた。
コーノスは笑おうとして失敗した。
疲労困憊して言葉も出ず、体の中に一滴の水も入っていないような気がした。
一歩退いた彼女の肩に両腕を回して捕まえると、娘のように胸の中に抱いた。
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