scene 3





「はい、そこまで。
 …ミラ、テンポがよくない。どうしたら客に気持ちよく聞こえてくるか自分で意識しながら、ジャン・バチストの呼吸を感じて、音楽をよく聴いて。
 …ミミ、一度彼女の変わりに言ってみてくれ。ジャン・バチスト、一回ミミでやってみる。音楽いいか。
集中して―――――」
パン。




「はいOK。…ミラ、どんなふうにしたらいいか、なんとなく分かったか?」
「は、はい」
「じゃ、やってみよう。音楽? いくぞ」
パン!




「少しよくなった。でももっと考えて。よく聴いて。全体が小気味よく音を刻むように。基本『あなたはどなたですか』までは、途切れず一つの流れになるように。
 10分休憩。その後今のところをもう一回やって、その後は九場をやる」






「…はい、そろそろいいか。じゃ、もう一回同じところから。集中して」
パン!





「…おーい。何してる、大丈夫か? 最初からやり直し。ラスト一回だ、みんなも集中しろ。行くぞ!」
―――――パン!





 いつの間にか稽古場に戻ってきたデミトリが、壁際で腕を組み、じっと稽古の有様を見守っていた。






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