L'inutile
もう森には行かない
稽古が終わってアキとも別れ、一人歩き出したヨシプに、足元までのきれいなスカートを着たマチルドが声をかけた。
「今日も一人なんでしょ? よければ食事でもして、うちに来ない?」
ヨシプは断る。
「もう森には行かない」
「――どうして? 腹が立ってきた?」
首を振った後、ぽろりとこぼれた言葉の中に、彼が探していた名前が現れる。
「さみしいから」
(EOF)
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