29.Introduction(後編)









「広く誤解を生んだようですが、ニンブス・シティに住んでいた僕ら以外の住民たちが、何の悩みも抱かずに幸福に生きていたわけではありません。生きていれば当然様々な事があるわけで、彼や彼女たちもカテドラルの行っていることに対して不安や疑問を感じることはあったのです。
 ただ、彼らはそれを懐に抱いたまま行動を起すということがありませんでした。多分騒ぎ立てるほどのことではないと思っていたのでしょう。娯楽や快適性については恐ろしくシビアな彼らも、その点には不自然なほど慎ましい人々だったのです。
 ヌクテ・ロイスダールはその名の通り慎ましくなかった。ただそれだけの話です。」

(Interviewより)








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