・・お任せフルコース・・







「本日は私どものレストランにお越しいただきまして、 誠にありがとうございます。シェフのお任せコースをご注文でよろしかったでしょうか? ありがとうございます。
それでは、早速始めさせていただきます。」









「前菜、一皿目は、 当節の美男美女を刻んで混ぜた恋愛ドラマ。 何故かパリやフィレンツェで繰り広げられ、 彼等が地方出身だということは伏せられております。 またスキンなしでも妊娠しないファンタジーな口当たり。 含蓄ありげなタイトルと歯にべとつく劣等感のソースでお楽しみくださいませ」









「二皿目でございます。 こちらシェフの新作料理でございまして、アンビリーバブルな仕上がりと なっております。 失踪者のグリル霊媒師添え。人権の青い火で炙りました逸品。 どうぞナイフとフォークにてお召し上がりください。

またお馴染みのものがよろしい方には、いつも通り、録画警察24時、 地方暴走族風味をご用意いたしております。勿論、手書きの汚いトビラ、バイクよりうるさい効果音入りでございます」









「それでは本日のメインへ移らせて頂きます。 当店より全国に広がりましたオリジナル料理、 丸眼鏡の美少年、魔法学校着きでございます。 添え物として、美少女一名、気のいい親友、 嫌味な奴、贔屓校長を用意いたしましたので、 皆様のお好みに合わせまして。 美少女と絡ませるも、親友と絡ませるも、校長と絡ませるも ご自由にお楽しみくださいませ」









「お飲み物のおかわりをお持ちいたしました。 母娘再会の涙、25年ものでございます。娘の方はモザイクなし。 似ていない再現映像と大根芝居を余すところなくご堪能ください」









「お口直しはいかがでしたでしょうか。
最後にデザートの盛り合わせをお運びいたしました。 右より時計回りに癒し系、萌え系、鬼畜系のポンチ、 純愛アイス、近親相姦トルテ、チーズに殺人鬼シリアルとなっております。18歳未満の方はご遠慮下さい。
お飲み物は日本の首相もご贔屓大好き、アメリカン・コーヒーでございます」









「デザートのおかわりもご用意いたしますが…」
「気前がいいんだね」
「何しろ、お任せでございますから」
「これで全部? もう終わり?」
「おかわりの他は、もうございません」
「じゃあ出るよ。食傷した。僕はこのテーブルを立ちたいんだ」
「然様でございますか。ではお気をつけてお帰りくださいませ」





「しめて8時間15分のお支払いになります」
「カード一回で。…このお任せコース、人気ある?」
「………」









「大人気でございます」











---EOF-









03.09.08
to be continued


<< novels play >> next-ext