・・リボルバァ・・







流れに逆らわないと楽だということばの意味を
今日始めて理解した
うまく説明は出来ないのだが
うまく説明の出来ない次元で今までになく
みぞおちまで落ちる納得の仕方をした
ズドン







…そいつはまるでリボルバァのように
重くて冷たくて殺人の味がして
無慈悲且つ狡猾に
弱ったものを逃さない
ズドン
と撃たれた時
俺の世界はくるくるまわった









怒っちゃいない
撃った彼女は善意の塊だった
彼女は現実からずり落ちようとしていた俺に
同情する眉の形で俺に説いた
社会で生きる ための知恵を
俺は現実と喧嘩した
やがて負けたところを知恵で撃たれた
そう痛くは無かったよ
だって麻酔弾なんだからな









どろどろの
眠りの中で俺が死んで行く
血も流れないのにこいつが俺の致命傷になる
目が覚めたらきっと
俺は今までの俺をすっかり忘れているのだろう
雑誌や テレビや 服装に夢中になれる普通の男になる
wildという文字に心躍る
他愛のない男になるんだ…










寝転がった俺を後ろに
彼女が去って行くのが見える
なんてこった笑っていやがる!
あの女は知ってたんだ
そいつが「生きる知恵」という名前の殺人道具
リボルバァだということを










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02.12.08
to be continued


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