=interval 2=









毎日毎日ただ笑っているように見えるだろうけれど、
本当はとても大変なんだよ。
でも僕は信じてる。
いつか僕の苦労をみんなが分かってくれるって。





いいよ、僕は男なんだから面倒くさい荷物なんか
持ってあげる。当然だよね。
ほら、君もぶーぶー言わないで。
みっともないだろう。女の子が見てるよ。





いいよ、僕は男だし近場だから最後まで付き合うよ。
社会人になったら上司と飲みに行くのは当たり前だもんね。
まあ君等は帰ったっていいけど、上の人とコミュニケーション
とれる稀少な機会だから。朝まで行くよ、一緒にね。





貯金が一桁になっちゃったよ。
いい鞄を買ったんだ。これくらい常識だよね、コムサなんだ。
言われちゃった。かっこいいね、その鞄って。
こんなものは飾りだって分かってるけど、ちょっといい気分だよね。




+





気のせいだ。
笑われているなんて。
気のせいだ。
だって僕はこんなにがんばっているんだもの。
がんばっているんだもの。
今日も朝からほら、電車の中で読んでいるよ。
「人に愛される百の法則」





鉄則どおりにやっているんだ。
今までちょっとうまく行かなかったから。
そうさ。
そのうちきっと、みんな僕を好きになる。
荷物も持たないような男にたかるのは今のうちだけだ。
そう一月、一月もすれば、
みんな僕を好きになる。
みんな僕を好きになるに、決まっているんだから。





百通りもあるの法則が、
僕だけを擦り抜けていくなんて絶対に、
絶対にある筈が無い。







---EOF-









01.07.17
to be continued


<< novels play >> next text