Deadman Walking





私は歩いている
痛みのない道を人の頭を踏みつけながら
鈍い音がして彼らの鼻が折れても私は痛くない
この胸のうちを誰にどう語っていいのか分からない
大声で泣き叫んで私はかき消えたい






私は黙っている
わざとつまらない下らない小技をきかせて
当り障りなく楽しい会話をしながら黙りこくっている
この胸のうちを誰にどう伝えたらいいのか分からない
真実を知るために血が見たいと思う





私は死んでいる
二本足で歩き回り忙しく咀嚼しながら
毎日明日と言う嘘のために殉死をしている
この真実を誰に聞かせてどうしたらいいのか分からない
ただ腐臭ばかりがひどくなっていく




ああきっとそのうち 私は子供を産むだろう
ささくれだったぼさぼさの荒れる母親になるだろう
そして彼か彼女は私の本当の姿を見るだろう
私を嘲笑して へその緒を切りたがるだろう
けれどそれこそが最後のよすがだ
激痛で私の眠りを覚ましておくれ
君は
私と本当を結びつける最後の自浄の術なのだ












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01.10.03