人でなしの火








僕の精神の中には
本当はいつも消えてはならない一本の蝋燭があって
それは生きてきた道に応じて曲がり
どこかしらいびつにひねくれて
しなやかかもしれないが誠実が無いんだ
そしてなんだか毎日毎日
その先端に咲く炎が小さくなっていくような気がする
本当に私はこの先生きていけるんだろうか?
本当に?





君 美しい目をして別の人のものである君
まるで犠牲を強いるようで悪いけれど
僕の元へ来て 炎を吹き消してくれないか
そしてそれからあなたの太陽を集めて
もう一度炎を付け直してくれないか
また僕がこの情けない生存を続けていくことが出来るように





教会の中に燃えていたたくさんの信仰の火を前に
僕は懺悔をしたものだ ごめんなさい
ごめんなさい 僕は神様
僕の周りにいる人たちが嫌いだ
僕を取り巻く生まれた国も
父母に通じる血の流れるもろもろの人々も
それなのにそれを裏切れないなんて






君 黒い瞳をして風のように自由である君
手間を掛けるようで悪いけれど
僕の元へ来て 横面を引っぱたいてくれないか
そうしたら頬からちりっと炎の出て
この甘い香りのする腐った夢から抜けていける
そして目覚めたら真実のとおり
また僕が僕らしく人でなしに戻れるよう











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01.07.10