小編
悲しみは水を湛えた砂
表面は乾いているようでも
傾けるとこぼれ出す
また悲しみは擦り切れて赤い
かわいそうな手のひら
風がよす度ちりちり痛む
悲しみは雨の匂い
九つのぬるい靴先で独り歩いた
静寂の帰り道
それなのになぜか
悲しみは日向の匂い
午後の日差しを浴びて儚げな
母の後ろ姿
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02.01.23