||| WATER |||


みんなでいる時には五人分ではしゃぐのに
一人だとまるでただ寂しい子になるのね

数十万円のブルガリの話なんかしていたのに
百秒たつとまるで恥ずかしげに身をよじるのね

慶応生がいいなんて笑いあっていたのにもう今には
自分の父親の出身を思い出すのね

どんな男も足を踏めば大丈夫と喋っていたのに
青く不安げな眼差しで無闇と夜に怯えるのね


どんな悪徳も君をするりと滑って行って
俗悪なんて言葉もご存じない
全てを披露した次の瞬間にそれを全て翻す
水のように流れて 何故か穢れない君はつまるところ

今 そう只今 十代なのね






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02/05/15