コントラコスモス -11-
ContraCosmos










「…………」

「…………」

「やられたな」

「……そういうことだ。ほんの二時間前に発見された。ちょうどいいから、君が来るのを待っていた」

「ありがたくて涙が出るね」

「毒か?」

「……飲料水だな。これに触るな」

「水に毒だと?」

「匂いも香りも色もなければ可能だ」

「……無味無臭無色透明か。
反則技だな」

「毒だって日々進歩する。
無論そこらの毒屋が出来ることじゃない」

「…………」

「心当たりがあるだろ?」

「……オレウス、ポワントスに逮捕状を」

「はっ」

「……間に合うかどうか」

「望み薄だろうな。とりあえず持ち帰る」

「……坊主の分際で毒など振り回したがる
からこんな始末になる」

「教皇猊下に言えよ」

「…………」

「…………」

「かわいそうなことをしたな」

「……どの道聖職者としてはもう
復活できなかった男だ」

「……行くぞ、ミノス。手間をかけたな」













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