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コントラコスモス -17-
ContraCosmos



 辺りは静まり返っていた。
空になったグラスが一つ。
空になった椅子が一つ。
部屋の中には自分ひとり。
足を投げ出して座っている。
 男が帰ってしばらくした後、店の扉をドンドン叩く音がした。マヒトかヤナギか。
 どちらにしても閉店だと諦めたらしく、すぐまた静かになった。出て行ってもよいのだが、気分に任せて放置する。
 今日は晩餐最終日だが、ミノスはいつ帰ってくるつもりなのだろう?
「……あいつじゃないと思うんだけどなァ」
 リップは立てた踵を起点に、遊びで爪先を左右に動かしながらぼそりと呟いた。






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