コントラコスモス -27-
ContraCosmos



 後日、店にやってきた花屋から事の顛末を聞いた私とヤナギは拍手喝采したものだ。
 特にオネエが入っているからか何だか知らないが、ヤナギと来たら男のくせに断然花屋の味方で、
「よく決断したね!」
と褒めまくりだった。
「よくミノスの薬に頼らなかった。えらい!」
 その台詞を聞くと、花屋は私の方を見た。私は舌を出して視線を反らす。
「実は最初はね、頼ったのよ、ヤナギ先生。でもこの人と来たら……」
 花屋のしなやかな手が伸びてきて、カウンター越しに私の肩を小突いた。
「よくも騙したわね!」
 言って、彼女は破顔する。私も我慢しきれないで歯を見せた。
「赤ん坊苦手なんだもの」
 中身は別の薬草酒だった。
「早く大人になってもらわないと困る」
「もう……。覚悟を決めて、飲んで大人しく横になってるところにリップが来て別れ話を始めるじゃない。何かもう猛烈に馬鹿らしくなっちゃって。
 何でこの男の平安の為に私と私の子供が痛い目に遭わなきゃならないの? と思って。
 だからあっちに生き難い思いをしてもらうことにしたわ」




 拍手に次ぐ拍手に我々がハイだった頃、憐れな「中出し」君は中庭に追いやられ、半目で一人、楽器を弾いていた。
 (ひょっとすると味方になってくれるかもしれない)マヒト君はまだ東部にいて、まー二週間は帰って来るまい。



-了-




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