コントラコスモス -30-
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朝、リップを探して宿からボレアがやってくる。ご苦労なことだが、最近では毎朝の恒例行事と化していた。 リップは今日は遊ぶ気が起きないと見え、彼がやってくる気配を感じて十分ほど前にふいっとどこかへ消えてしまった。 全く器用な男だと思いながら、 「ならば失礼します」 と身を翻そうとするボレアを引き止めた。 「まあ、茶でも出すから」 まず受け皿を出し、その上に入れたばかりのお茶を乗せる。少年がうろたえている間にこないだ余った砂糖菓子まで並べた。 「たまには私と話でもしようじゃないか」 鼻声の私は彼に手のひらを見せ、普段リップがぐだぐだしている椅子へ、座るようにと促した。 -つづく-
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