コントラコスモス -39-
ContraCosmos


 聖庁内部をうろうろする北ヴァンタス人とやりあう暇はなかった。リップは内偵のように道を選び、時折は身を隠しながら、広大な聖庁内を出口目指して疾走した。
 邪魔だったので武器を途中で手放した。ようやく庭へ飛び降りることが出来、後は市街に向かって走り出すだけだと思ったその時、奇妙な音が耳を打って、リップは反射的に背後――大聖堂を振り仰いだ。





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