コントラコスモス -41-
ContraCosmos



 分かっている。どこまでも分かっている。
全ては私の咎だ。
無力で愚かで強欲な私の。
 自分一人のみならず、マヒトすらも巻き込んだ。
結局コルタでの暴行も止められなかった。
今頃リップは哭いているかも知れない。
私を恨んでいても不思議ではない。
 両手の中に顔を落とし、呟く間にも馬車は進んだ。
 そして休みなく三度目の夜を迎えた頃、私は六年前に去った猥雑なる王都カステルヴィッツに入り、その王宮の黒大理石の廊下に遂に、降り立った。


-了-







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