だからそれらに背を向ける

足がすくんで立ち止まってしまう前に

そこへ行けばこの腕はお前を捕らえ

狙いの定まらぬ剣で楽園を切り裂き

お前を裸に剥いた後

ばりばりと欲望の下顎で食べてしまうよ

食べてしまう 空腹だから

だから目を覚ましていよう

夢を見ないように

昨日を忘れないように

一晩中瞼を開いていよう

朝がきたら 朝がきたら

代わりにみんなが起き出して見張ってくれるから

少し休んでも平気だろう

ここの店主は毒のように膝下を浸した落ち着いた女だから

自分がおかしな真似をしたら手遅れになる前に

止めてくれるだろう

面倒くさそうな顔をしながら黙って即座に

自分を止めてくれるだろう




罪を犯した赤い犬は目が見えないから

森に帰ってはならないのだ










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