私が馬鹿なのは生まれた時から不変のことだ。
けれど私は多分最初の女だと思う。


「もし彼らが俺の予想とは違って
 ずっと二人でここにいるから
 そうっとしておいてくれと言ったら
 またここへ帰ってきても許してくれるかな
 とりあえず君に顔を見せにあそこへ帰ろうと
 考えてもいいかな」


帰ってきてもいいかと許しを乞われた女は私が最初だ。
私だけだ。
だからいいのだ。
ここには憐れなものなどひとりもいない。




-了-




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