scene 2
目が覚めると、部屋はまだ深夜の風情だった。 カーテンが薄墨のような陰を流して立っていた。 物音はなく、頬が濡れていた。 ただ一本の電話を寄越してくれさえすれば 全てはもとのごとくに戻るのに 恨んでなどいない 憎んでなどいない たった一言言ってくれればいいのに また一緒にやろうって そうしたらこんな寄せ集めのつまらない連中とでなく 本当の仲間のために我を忘れて全力を尽くす かつての生活に戻れるのに どうしてそれしきの 願いが叶わない |
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