scene 3





 その日、ジャン・バチストが稽古場に遅刻してきた。
事前に連絡もない、二時間もの遅刻だった上、やって来ても悪びれず説明の一つもしない。
 さすがにもの言いたげな顔をするジダンに、デミトリは苛立ちを抑えきれず極めつけた。
「誰にだって事情があるだろう。一度くらいでうるさい顔するなよ」
 だがその日以後、ジャン・バチストは頻繁に遅刻を繰り返した。







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