scene 4
夜が明けた。 馬鹿に長い一夜だった。 本番までの日数がまた一日減る。 その日、ミラは朝からなにか思いつめた顔をし、 ジャン・バチストはあくび一つして賭場から通りへ出、 アキは目を覚ますと携帯にヤコブからのメールが入っていることに気付いた。 『昼前パリに戻る。夕方、稽古場で会おう』 デミトリは寝不足の目で鏡の中の自分を見つめ、 ミミは娘が仕事に行くなと騒ぐのに手を焼き、 ヨシプはシリアルの牛乳をクロスに一滴こぼす。 そしてジダンとクリスティナはいい年して徹夜した辛さでちょっとヨタヨタしつつ、ドラッグストアでそれぞれ栄養ドリンクを買い、通勤の路上で意味もなく乾杯して飲んだ。 |
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第15章 了 |
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