L'inutile
おおきな犬
王様が死んで名画座を出、カフェでベルモットを飲んだ後、地下鉄に。
夜の車両には、色んなものがいる。ナイフ強盗とか、貧乏な人とか、髪に飾りを編みこんでうつろな目をしたアフリカ系の若者。
今にも破れそうな不穏な気配。それをとどめるために自動小銃を提げて乗ってくる警官。
全て大事なもののようにヨシプは貼りつける。皮膚中にベタベタと貼りつける。
そうしてこの世の人間のふりをする。
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