L'inutile 21
「自然」






「ありゃ軽い自傷行為だよ――治る前からかきむしってどんどん荒れていくんだ。俺も子どもの頃、一時やってたことがある」
「さすがの彼も内心穏やかならぬところがあるらしいな。……親類がらみとなれば、当然だが」
 ヤコブ・アイゼンシュタットとジダンはカフェにいた。ヤコブが行きつけている八区の、思い切り上品な店のテラス席だ。
 元来、彼はこういう世界の住人だが、同じ調子でどんなくたびれたところにだってスッ、スッと入っていく。
 今だってジーンズにスニーカーといういでたちのジダンとテーブルを挟んであっけらかんと、周囲を気にする様子もない。
 彼から自分の血筋に対する恨み言や、自分と異なるグループの人間に対する批難など、冗談ですら聞いたこともない。
 ――みんながみんな、彼のように振舞えるわけではないと知ってはいるのだが。
「ついこの間まで殺し合いをしていた地域だ。仕方がないだろう。
 時期が悪かったな。二月のコソボ独立宣言のせいで、セルビア情勢が再び注目されている最中だ。クロアチア人の彼等に対する恨みは根深い。一部には、セルビア人の得になることは何でも嫌がるし、その汚点になるようなことは何でも喜ぶ傾向が見られる」
「……」
 ジダンは口元に煙草を寄せながら、鼻の頭に皺を寄せた。ヤコブは応えた様子もなく、肩をすくめる。
「確かに美しい話じゃないな。だがどこでだってあることだ。ヴェトナムでも、イラクでも、チベットでも」
「――ルークがセルビア系ってのは本当なのか」
「そのようだ。本名はルカ・ミハイロヴィチと言って、ザクレブ近郊の出身。親族はまだ国内にいるらしい。
 90年代の紛争からこっち、セルビア系住民が身元を隠したり別名を名乗ることは珍しいことじゃない。国内に暮らしている人間は特に、セルビア系であることが周囲に分かると暮らしにくくなる。
 ルカが自分の名前を英語風に――というか私にはスター・ウォーズ風にと思えるが――変えていたのも、多分そういうしがらみから身を隠したかったからだろう」
「……血の臭みを消すために、必死に努力している感があったな」
 最先端のものは何でも知り尽くし、外国語を操り、まるで自分は生まれながらの国際人で、政治や国の事情なんか眼中にない、とでも言いたげだった。
 ジダンはそういう人間が、もちろん嫌いではない。だが同時に、微かな危なっかしさも感じていた。それは理屈というより……
「『この道はいつか来た道』かね?」
「引用元が分からねェな」
 ヤコブは笑っただけで説明しなかった。
「……それでヨシプは今、Mの叔父の家に行ってるのか?」
「ああ。とんだ帰省だろ」
 ジダンも一緒に着いていこうかと思ったのだが、この後夜に雑誌の取材があるし、なんとなく向こうに歓迎されていない空気だったので、踏み切れなかった。
「まあ簡単に言って――、怒ってるみたいだったな。俺に対して。たよりにしてたのにこんな騒ぎを起こしてってことだろう。
 ヨシプ一人、いつもと同じ調子でふらふら出かけてったよ……」
「ずいぶん心配そうだな?」
 皮肉交じりのヤコブの声に、ジダンはじろりと彼を見返した。
「ええ、心配ですね」
 そういう態度を見せたのに、ヨシプの叔父は汲んでくれなかった。
 ――おそらく、こんなことになった今もジダンがはっきり親クロアチア反セルビアの態度を見せてないから、それに復讐しているのだろう。
 敵に対して共に怒らないなら、確かに部外者だ。
首を突っ込まないでくれ。






――まったくなんということだ。前々から、お前が少し間の抜けた人間だと言うことは知っていたが、ここまでとは思わなかった!
 自分の敵と味方の区別さえつかないのか? お前は駄馬だ。クロアチア人だと名乗った? セルビアの汚い騙りに気付けなかった自分を恥じろ!
――……いいかい、ヨシプ。考えてもみなさい。彼らは君のお父さん、お母さん、そして弟の命を奪ったかたきなのだよ。君に悪気はなかったとは言え、私達が何故こうも憤慨しているか分かるだろう。
 君の叔父さんも、今回のことで深く傷ついている。この場にいることには耐えられないほどにだ。
 セルビア人達は、かつて私達の国土を土足で荒らしまわった。今もなお、多くの民族を苦しめて、国際社会の批判を浴びている。
――連中はバルカンを腐らすガンだ!
――……いいかい。すでに我々は、このミハイロヴィチに連絡を取って、ビデオをネットから下げるよう要求している。もし向こうが抵抗したら、肖像権の侵害で訴えて裁判を起こすつもりだ。
 君は二度とこんな軽はずみなことをしてはいけないよ。
――我々の事情は、所詮フランス人には分からない。多くは同情を示すだけで助けてなどくれない。自分達の身は自分達で守るしかないんだ。
――この広い世界の中で、最後までお前の味方になってくれるのは同じ国の人間、『私達』だけだ。お前はクロアチアの子供で、そのことは宿命であり鎧だ。そのことを忘れるな。
 決して忘れるな。『私達』の国を。
その血を。『私達』の誇りを。




 ヨシプは地上を走るRER線の壁に首をもたせかけ、荷物を前に抱え、飛び去る景色をぼうっと眺めていた。
 天気が悪く、既にあたりは薄暗い。時折さっと雨が降ってガラス窓に水滴を吹き付けていった。
 叔父の家へ行ってみると、疲れたような表情の叔父から、ある電気屋の二階へ行くように指示された。その場所はヨシプも知っていた。
 亡命クロアチア人の大人達が、そこでよく集会を持って、時には故郷の歌なんかを歌っていたので。
 その広くもない部屋で、二〇代から六〇代までの男達が十人以上、ヨシプを待っていた。
――いいか、もしまた、こんな真似をしたら――
 最後に白髪の男が顔を真っ赤にして、人差し指を突きつけ、彼を脅した。
――お前もお前の親類達もここから出て行ってもらうからな。俺達の中から裏切りを出すことは許さん……!
 誰も……だなあ。
ヨシプは電車が揺れるたびに、それに合わせて体を揺らしながら、ぼんやり考えていた。


 誰もビデオの感想を言ってくれなかったなあ。












 アキはもう、この建物の鍵を持っていない。呼び鈴を鳴らしてみたが、ヨシプもジダンも、ヤコブもいないようだ。
 天気が悪いので通りのカフェに入って、本を読みながら様子を伺っていた。既に夕方であるから、戻ってきたら明かりですぐ分かる――。
 事の次第は、ジダンやクリスティナから漏れ聞いていた。なんとなく心配で家にいられず、買った和菓子を口実に様子を見にやってきたのである(意外にもヨシプは小豆が大好きだ)。
 あらかじめ電話をしておけばよかったのだろうが、もめている時だけにそこまで大げさにはしたくなかった。
 大体、自分に何ができるというわけでもない。しばらく待って気が済んだら、黙って帰ろう。とアキは思っていた。
 付き合いが長いからそういう気になったまでで、彼女にとっては、これは特別な行動ではない。それでもこんなところルークが見たらまた誤解するだろうなと苦笑いしながら、ふと手首の時計を確認した。
 そこに、カフェのドアを開けて当の彼が現れたので、彼女はびっくり仰天してしまった。
 ルークはアキの座っていることに気付かず、せかせかと歩いてカウンタに向った。以前と変わらぬしゃれた格好だが、急いでいるのか、少し全体的に乱れていた。
 その肩に、ちらちら水滴が光っていて、雨が落ち始めたことを周囲に教える。
 アキはどうしようか非常に迷ったが、結局席を立ち、その肩をぽんっと叩いた。
 大仰なくらい一度びくっとした後、ルークが振り向いた。
「あ。――やあ、君か……」
 寒いところから入ってきたせいか、青白い顔がくしゃっと歪んで、笑みになった。ややくたびれてはいたが、まったく前のように、明るい笑顔だ。
 ただ、あのバスの一件以来、アキはどうしてもその明るさの奥に、一種の虚しさを感じていたのだが。
 ともあれ彼は自分が今回の騒動まで知っているとは思っていないだろう。アキは今までどおりに振舞った。
「久しぶりね。元気だった? どうしたの、こんなところで。よく来るの?」
「――いや? あー、うん。たまに……」
「あ、ひょっとして……」
 アキは空けてくれたスペースに和菓子の箱を置く。
「ありがと。ヨシプに会いに来たの?」
「ヨシプ……?」
 彼は意外そうな顔を見せた。だが、続けて彼女がこのすぐ向かいが、彼の家だと教えると、笑い出した。
「はは……。そう。そうか。ここがね……! ふふ」
「……なに?」
「いや。こっちのこと。『クソッタレ』」
「え?」
「じゃ君は、彼に会いに来たわけだ?」
 ほら来た。
「……まあね。和菓子を買ったから、私と彼とジダンと、三人で食べようと思って」
 あなたの想像とは違う、と言いたくて、妙にくどい表現になる。
「でも二人とも留守みたいだから、待ってるとこ。帰ってくるまで」
「なんだよ。鍵もらってないの?」
 ――だから、これだけ『違う』って空気出してるでしょうが!
 前とほぼ同じルートを通ってキレそうになったアキだったが、
「――失礼……」
 突如、ルークがするりと身をねじってカウンタを離れた。アキが呆気にとられて見ていると、顔を伏せるようにしてつかつかと階下――手洗いと電話なんかがある――へ降りて行った。
 思わずアキがカウンタの中にいる従業員と顔を見合わせたその時、カフェの扉がばたん、と再び開き、中年の男が二人、入ってきた。
 彼等は入り口付近ですぐ別れ、一人がカウンタのほうへやってくる。
 だが何を頼むのでもない。ただ、辺りを見回して、何か探しているような感じだった。
 少し濃い顔つきのおじさんだ。西欧風ではない。南か、でなければ東欧――……
 彼と、店の奥のほうを見て戻ってきたもう一人とが落ち合ったその時だった。階下から、誰かがだっと飛び出してきて、全力で走り、店の出口の扉を破った。
 もちろんアキにはそれがルークであることが分かったが、何が起きているのか分からなかった。
 だが、背中をすり抜けられた男達の反応は早く、入り口の扉が閉まるより速く、きゃっと靴を鳴らして駆け出していく。
「?!……」
 アキと従業員は、ますます顔を見合わせた。
 なに今の? 追われてる……?
 どうしよう? どうしよう?
 ――ば。
 瞬間、従業員の顔に逃げが入る。
 ばっくれますか。
  ――できるか、そんなこと!
 アキは従業員に
「警察呼んで!」
と叫ぶと、菓子の箱を引っつかみ、彼らを追って通りへ出た。
 雨だった。
 それにもうすっかり暗くなって、街の明かりが濡れた石畳に跳ね返って光っていた。
 アキは辺りを懸命に見回した。見えない雨粒がまつげに当たるので、手をかざして。
 どっちへ向えばいいのか分からなかったが、とにかく走り回った。大通りの方へ向ったが、気配がなかったので取って返す。
 向った先はメトロの駅のある方角だった。
その手前の暗い道で、三、四人が息を乱して取っ組み合っていた。
『…………!』
『…………!!』
 帰宅途中の人々が驚いたように、或いはまったく冷静な顔で、その騒ぎを避けて通っていく。
 男達が喚くのは外国語。外国人のもめごとにかかわらないというのは、この街に住む人間の鉄則だ。
 アキは動転した。何が起きているのか分からなかった。
 ただ、ルークが他三人の男と取っ組み合っている。彼は必死に彼らから逃れようとしているが、男達は許す気はなく、信じられないほど激しく拳を叩きつけているのだという、それだけ。
『や、やめて! やめて! やめて!』
 やっとのことで出てきた言葉は日本語だった。だが周囲の誰も、彼女のうろたえには同調しない。
 彼がこんなにもはっきりひどい目に遭っているのに、誰も助けてくれない。
 同じ街に住んでいても私達は、『私達』ではないから。





 その時、異様なほど落ち着いた静かな声が、アキの知らない言葉を繰った。
『――やめたまえ』
『……?!』
 男達が一斉に顔を上げる。メトロの駅へ降りる入り口の前に、男が二人、立っていた。
 ヨシプ・ラシッチとヤコブ・アイゼンシュタット。その両方とも、無関心げな顔で彼等を見下ろし、彫像のようだ。
 殴打は止んだが、ルーク、いや、ルカ・ミハイロヴィチは恥辱に耐え切れず、道路の上で両手を覆ったまま動かなくなっていた。
『なんだお前等は?! 同胞か?! 同国人か?! それとも敵か?!』
『――なんでもいいだろう。今、警察を呼んだ。逮捕されたくなければ、さっさと消えたまえ』
 ヤコブは言って、携帯電話をコートのポケットに入れる。
『フランスの警官はセルビア人にも分け隔てなく差別的だぞ』
『――こいつはセルビア人の誇りを裏切った卑怯者だ! 集会に連れて行く。同じセルビア人なら邪魔をするな!』
『彼が何をしたというんだ?』
『アメリカにかぶれて偽名なんか名乗りやがって! 挙句にクロアチア人やアルバニア人、ムスリムとも付き合いがある裏切り者だ!』
『――それがどうしたの』
 ヨシプが言った。雨が水を蓄えて、だんだん前髪が垂れてきていた。
『なに?!』
『アメリカ風の名前名乗って、色んな友達と仲良くして、何が悪いの? 世界中の人間がやってることだよ。よほど、内にこもる人以外は。
 一五年くらい前に、敵同士だったからいけない? 空爆し、コソボの独立を後押ししたアメリカに、肩入れしてるからいけない?』
 彼の声が途切れるとアキの耳に、雨音と、遠いサイレンの音が聞こえた。
『――殺し合いを始めたのは、【あんた達】じゃないか』
 息を吸うと、ヨシプはきっぱりと言った。普段のぎごちなさがウソのように。
 そして彼が囁くような言葉で言っている【あんた達】とは、セルビア人のことではなかった。
『始めたのは【あんた達】、大人だ。【俺達】こどもにはただただ、迷惑なだけだった。
 【あんた達】はある日、突然憎悪を剥き出しにして殺し合いを始め、【俺達】は戸惑いながら、昨日まで一緒に遊んでいた友達と別れた。
 学校にも行けなくなった。外で遊ぶことも出来ないどころか、生まれた土地で生きていくこともならなくなった。道には地雷が埋まり、橋は破壊された。
 本当に、【あんた達】の本性には驚いたよ。数年前には立派なふりをして、【俺達】を叱っていたくせに。
 そうやってろくでもないことばかり散々教えてくれた果てに、【あんた達】は【俺達】の現在にさえ、手を出そうと言うのか。
 ――【俺達】の邪魔をしないでくれ。【あんた達】の事情に、これ以上巻き込まないでくれ。
 溝は』
 ヨシプはそう言って、空中に斜めに、一本の線を描いた。
『ここにあるんだ』
 それは三人の男の胴を横切り、ルカと自分を同じ側に区切った。
 それから彼は寝転がったままのルカに、手を差し伸べる。
 けたたましいサイレンの音が、どんどん大きくなっていった。










 『蝶々夫人』や『オセロ』を選んだのはヨーロッパ性を攻撃するためではありません。いずれも他者というものが、非常に極端な形で扱われている作品だからです。
 だが現実は遥かに複雑であり、価値観はいたるところでぐちゃぐちゃに混ざり合っています。昔からそうでした。
 そのように異なる要素がいつしか混ざり合っていくことは、いわば自然なことなのですが、時に誰が『私達』で誰が『彼等』なのか、厳しく判断を迫られる状況が出来します。
 まずはあらゆるレベルの戦争。
そしてもう一つは、婚姻です。
 どちらの場合も特定の個人、集団を『私達』の味方かそうでないのか、はっきりと区別する必要に迫られます。さらに下した判断によって両極端な結果が生じます。
 ここでは愛と憎は表裏一体です。身内の穏健派を裏切り者と罵る心理もここに生まれます。
 こうして別けられた二つのグループのうち、どちらが正しいかという問いにこだわることは、別の紛争を生むだけです。
 問題は線です。自己と他者の線をどこで引くか。それだけで世界の様相は全く変わってくるのです。
それだけのことなのです。

(ラルシュ誌『特集 現代人に対する三百人の助言』より
J.レスコー)










「――ああ、大丈夫だ。警察が来たら、連中は逃げ出した。
 それは、彼がMからの帰りに、うちの事務所に寄ったんだよ。相談のためにな。
 ルカは少々殴られているが、大したことはない。どうやらセルビア人グループの集まりに連れて行かれそうになって、途中で逃げ出したらしい。
 いや、もう二人は落ち着いている。寧ろ居合わせたアキの方が興奮気味だよ。めまいを起こして今、のびている。
 ……ああ。ああ。そうだ。彼が自分でそう言ったんだ。
 だから言っただろう、ジダン。ヨシプは大丈夫だと。君が心配するまでもなく、彼は自分で答えを見つけると。
 私が目をつけて連れてきた子だ。――そうだろう?
 ……あと一時間? そうか。私はこれからルカを家に送り届けてくる。トラブルがないとも限らないからな」
 出先のジダンと通話を終えると、ヤコブは彼の宅の居間に戻った。
 ヨシプとルカが、ソファに腰掛けて静かにしている。ヨシプの横ではアキが毛布を抱き込み、体を丸くして横になっていた。
『話はついたかね?』
というヤコブの声に、
『ええ』
 今までになく落ち着いた声で、ルカが答えた。
『とりあえずうちのサイトはクローズします。でもビデオは友人連中に頼んで配信し続けますよ。
 僕には無許可でやっていると言い張れば、追跡は難しいでしょう』
『もったいないよ。そうでもしないと……』
 ヨシプが口を挟んだ。彼は髪の毛が落っこちて小学生みたいになっている。
『あれ、悪くないから……』
 ヤコブは世慣れた様子で笑ってみせた。ルカを立たせる。
『おいで。車で家まで送ろう』
『……お手数かけます』
「――アキ。君はどうする? 帰るなら、同方向だ。乗せていくが?」
 ヤコブの問いかけに、アキはくぐもった声で答える。
「……ごめん。もうちょっと、ここにいたい……」
 実際、今回の件で一番ショックを受けたのはアキだった。
 雨を被ったこともあるのだろうが、それより暴力を目の当たりにしたことが大きいのだろう。遊びの最中に怪我をして保健室に運びこまれた子供みたいに、毛布を被ってしょげている。
「落ち着いたら、一人で帰るから……」
「そうか」
 ヤコブは無理強いはしなかった。先に玄関へ出て行った。
 ルカも荷物を持ち、彼に続く。最後に二人の姿を見て片手を挙げ、
「またな」
出て行った。




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