- 藪柑子漫談 -
(十三)はじめに
紅梅こと、高田梅太郎である。 好きであろうが、嫌いであろうが、我々は一生に何千通もの手紙を書くし、また受け取る。 古い本の間から手紙について書き記した紙片が見つかったので、写してみる。 「手紙の特性」 ・届くまでに時間がかかる ・他人が読むと面倒である (それでいて割合他者に読まれる危険性がある) ・読めない手紙は秘密を内包する ・内容を額面どおり受け取ってはいけない ・破れる ・踏める ・食える ・たとえ出来心で書かれたものでも、後には証拠品扱いになる このメモはある一連の騒動が終わった頃書かれたものだと記憶している。今回は逆にそのメモに従って、その顛末をお話してみよう。 |
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